創立10周年を迎える日本免震構造協会の活動概況はじめに
社団法人日本免震構造協会は今年、創立10年の節目を迎えます。日本地震工学会会員の皆様に協会の活動概況をお知らせしたいと思います。
協会は免震構造の健全なる普及に寄与することを主目的としています。10年目のこの機に記念事業の計画・実施を行っていますが、1993年創立以来の活動経過は以下の「1. これまでの経過」に記す通りです。創立10周年記念事業については「2. 記念事業」の案内のようになつていますが、この詳細については当会のホームページ(jp)をご覧ください。この内、本年11月に記念国際シンポジウムを予定していますが、日本地震工学会の皆様の多数のご参加を期待しております。なお、協会の委員会活動を以下の「3. 委員会活動」に簡略に示します。
1. これまでの経過
1993年に協会が設立されましたが、これまでの活動状況と免震構造物をとりまく周辺の状況を時系列的に述べると以下のようになります。1993年6月日本免震構造協会設立総会
初代会長梅村魁
1995年7月第2回総会開催二代会長中野清司1995年10月「免震構造入門」講習会を全国で開催1997年2
月法人化の申請
1999年4月法人設立許可
1999年10月第1回技術報告会開催
1999年12月「免震建築の設計とディテール」刊行
2000年5月「JSSI免震建築物」一般認定取得
2000年6月総会開催三代会長山口昭一
2000年10月第1回「免震部建築施工管理技術者」
講習・試験実施
2000年10月「免震建築物と免震部材に関する告示
(平12建告第2009号および第1446号)」
発行
2001年5月「免震建築物の技術基準解説」講習会開催2001年7月「JSSI免震構造施工標準2001」刊行
可児長英
(社団法人
日本免震構造協会専務理事)
2001年8月「改正建築基準法の免震関係規定の
技術的背景」刊行
2001年9月「免震部材標準品リスト」刊行
2001年9月第2回「免震部建築施工管理技術者」
講習・試験実施
2002年5月台湾台北市にて
第2回CIB-TG44ワークショップ開催
2002年10月第3回「免震部建築施工管理技術者」
講習・試験実施
2003年1月記念フォーラム「アジアに於ける免震・制振
建築の役割と期待」開催
2003年2月第1回「免震建物点検技術者」講習・試験実施2003年4月第3回技術報告会開催
2. 記念事業
以下に示すような10周年記念事業を計画しています。2002年実施の見学会、2003年1月開催の記念フォーラムはすでに終了していますが、他の記念事業はすべてこれからです。記念シンポジウムと記念懸賞アイデアコンペへの多くの皆様のご参加をお待ちしております。
・記念シンポジウム「JSSI 10th Anniversary Symposium on Performance of Response Controlled Buildings」(2003年11月予)
この記念シンポジウムは、免震・制振に関わる技術的問題の整理と解決、技術の進展のために調査・研究等の成果報告を目的として開催されます。
◇シンポジウムのセッションは、次の通りです。
1) 免震・制振用などの応答制御装置
2) 免震建物・制振建物など応答制御装置を用いた構造物に関する実験・解析
3) 構造物の性能評価
4) コスト評価
5) 設計理念と設計基準
6) 設計と施工の実際
7) 応答制御装置を用いた耐震補強・耐震改修・レトロフィット
8) 応答制御装置の品質保証とメンテナンス
9) 設計用入力地震動
10) 最新の応答制御建物と機器に関する技術
11) アクティブ・ハイブリッド・セミアクティブ構造
12) スマートマテリアルとスマートストラクチャー
13) ヘルスモニタリング
◇シンポジウム会場: 東京工業大学すずかけホール
◇Key Dates: Deadline for submission of abstracts 31 May 2003
Notification of abstract acceptance
30 June 200330 June 2003
30 June 2003 Deadline for early registration
August 200331 August 2003
Deadline for submission of full papers
30 September 20030 September 2003
Symposium
717--9 November 200319 November 2003
◇公用語: 英語
◇アブストラクト: 英文で300語以内、論文タイトル、著者名と所属、電子メールアドレス、電話、ファックスを英文で記載。 ◇論文: 英文で8頁(A4)以内。
シンポジウム参加費: 30,000円(2003年8月31日までに事前登録する場合は25,000円。)、アブストラクト集、proceedings(CD-Rom)、毎日の昼食と軽食、及びシンポジウム懇親会代を含む。参加費の支払い方法等は、事務局のホームページでアナウンスします。なお、学生の参加費は10,000円(シンポジウム懇親会代は含まず)です。
◇書式、登録、その他の詳細: JSSI Web site at jp jp
・記念懸賞アイデアコンペ(2003年6月予定)
10周年を記念して国内・外の技術者や学生を対象に、懸賞アイデアコンペを行うもので2003年6月11日に発表予定です。コンペ課題、賞金、申し込み先、締め切り、審査委員、応募書式等の情報が当日発表されます。 ・10周年記念会史編纂(2003年6月予定)
笹原りむ免震構造の推移、協会に関わった方々のコメント、座談会など10年間の活動を概括するものです。 ・会誌記念特集号の発行(2004年6月予定)
2004年に記念事業が全て終了するのに伴い、記念事業全般を纏めたものです。
・見学会(免震建築物、制振建築物)
(2002年9月済み、2003年4月済み、2003年11月予定) ・記念フォーラム
「アジアにおける免震・制振建築の役割と期待」 (2003年1月済み)
3. 委員会活動
以下のような、技術委員会、普及委員会、建築計画委員会、国際委員会、表彰委員会、資格制度委員会、維持管理委員会、基準等作成委員会などの事業系の委員会があります。
〔1技術委員会
技術委員会〕〕
(1) 設計部会
1) 性能評価小委員会
a) 「免震建築物の耐震性能評価表示指針(案)」を出版
b) 耐震性能評価表示例の作成と性能評価用入力地震動の
妥当性の検証、
c) 耐震性能評価表示指針(案)の広報及び普及活動、
2) 入力地震動小委員会
a) 免震構造物の時刻歴地震応答解析のための設計用入力
地震動の考え方とガイドラインの作成
3) 設計支援ソフト小委員会
a) 「免震部材配置ソフト」完成
b) 免震構造用ソフトと評価チャートの作成中
(2) 施工部会
a) 「JSSI免震構造施工標準2001」の発刊
b) 免震施工Q&A集の作成中
c) 「免震工事特記仕様書(協会版)」の作成中
(3) 免震部材部会
1) 免震部材小委員会
免震部材の性能評価手法に関する提案
2) 部材性能・品質基準小委員会
免震設計のための免震部材の性能基準・品質基準の作成
(すべり・転がり支承に関する実験データの整理)
(4) 応答制御部会
1) 制振部材品質規準小委員会
基本部材の機構、性能、試験法、管理などに関する詳細な
情報の集積と基本部材の性能・品質に関する取扱い方と共
通の尺度による評価(オイルダンパー、粘性ダンパー、粘弾
性ダンパー、鋼材ダンパー)、さらに、これら制振部材の品
質基準の作成(JSSIマニュアルにもりこみ予定)
2) パッシブ制振評価小委員会
パッシブ制振構造に関する規準(JSSIマニュアル)作成(制振部材解析、制振構造解析、基本設計、設計例など)(2003年8月刊行予定)
3) アクティブ制振評価委員会
アクティブ制御実用化の現状整理と今後の発展の方向性の
確認
〔2 普及委員会
普及委員会〕〕
(1) 教育普及部会
免震構造の健全な普及のため、構造技術者を対象とした各種講習会、講演会及び現場見学会の実施
(2) 出版部会
会誌「MENSHIN」の出版、 2000年以降の免震構造データの集積
(3) 社会環境部会
ライフサイクルコスト、補助・融資制度および地震保険システムの検討
(4) 戸建住
戸建住宅部会
宅部会
戸建免震住宅の推進のための環境整備と提案
〔3建築計画委員会
建築計画委員会〕〕
建築家の向け「これからの免震建築」を作成
〔4 国際委員会
国際委員会〕〕
建築研究所とCIB(International Council for Research and
Innovation in Building and Construction)との共催「創立10周年記
念応答制御建築物の性能に関する国際シンポジウム」の実施、記念事業委員会と協同(2003年11月17日~19日予定)
〔5 表彰委員会
表彰委員会〕〕
技術賞、作品賞他の表彰(毎年総会時に表彰式)
〔6 資格制度委員会
資格制度委員会〕〕
a) 「免震部建築施工管理技術者制度」講習・試験の実施(毎年
秋を予定)
b) 「免震建物点検認定技術者制度」講習・試験の実施(毎年冬
を予定)
〔7. 維持管理委員会
維持管理委員会〕〕
a) JSSI「免震建物の維持管理基準-2001-」と「ユーザーズマニ
ュアル」の出版
b) 点検事業の実施。
〔8. 基準等作成委員会
基準等作成委員会〕〕
(1)) 設計基準部会
「時刻歴応答解析法による免震建築物の設計基準・同マニュアル」の改訂版の刊行(2003年6月予定)
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