1『船幽霊(ふなゆうれい)』    1
2『姥(うば)っ皮(かわ)』    2
3『狐(きつね)の嫁入(よめいり)』    3
4こんでちょっきり一昔。『人影花(ひとかげばな)』    4
5『とっ付こうか ひっ付こうか』    5
6『おまん狐(きつね)』    6
7『元取山(もとどりやま)』    7
8『山(やま)におった鯨(くじら)』    8
10『ネズミの彫(ほ)りもの』    11
11『尻尾(しっぽ)の釣(つ)り』    12
12『自分(じぶん)の(あたま)を食(く)った蛇(へび)』    13
13『鳶(とんび)不幸(ふこう)』    14
14『夢(ゆめ)合(あ)わせ』    16
15『亀(かめ)の甲(こう)ら』    17
16『鬼(おに)の田植(たうえ)』    18
17『狐(きつね)の玉(たま)』    19孙燕美
18『ねずみ経(きょう)』    20
19『奥方(おくがた)に化(ば)けた狐(きつね)』    21
20『猿(さる)の生(い)き肝(ぎも)』    22
21『小三郎池(こさぶろういけ)のはなし』    23
22『味噌買橋(みそかいばし)』    24
23『豆と炭とワラ』    25雪梨韩国演员
24『狼(おおかみ)の眉毛(まゆげ)』    26
25『の池』    27
26『きのこの化け物』    28
27『吉四六(きっちょむ)さんの物売り』    29入党自我鉴定范文
28『モグラの嫁入(よめい)り』    31
30『目ひとつ五郎』    33
31『骨をかじる男』    34
33『月雷の旅立ち』    37
34『腰折(こしお)れ雀(すずめ)』    38
35『風の神と子供』    39
36『ダンゴ ドッコイショ』    40
37『死神様(しにがみさま)』    41
40『継子(ままこ)のイチゴとり』    45
41『娘(むすめ)の助言(じょげん)』    46
42『最後のうそ』    48
43『そこつ そうべえ』    48
44『絵姿女房(えすがたにょうぼう)』    50
45『飴(あめ)は毒(どく)』    51吴谨西
46『一寸法師(いっすんぼうし)』    52
47『古屋(ふるや)のもり』    54
48『黄金(きん)の茄子(なす)』    56
49『ばくち打ちと天狗(てんぐ)』    57
50『ぼた餅(もち)ときなこ餅の競争』    58
51『しばられ地蔵(じぞう)』    59
52『大工(だいく)と鬼六(おにろく)』    60
53『おしずとたぬき』    62
54『鬼と刀鍛冶(かたなかじ)』    63
55『文福茶釜(ぶんぶくちゃがま)』    64
1『船幽霊(ふなゆうれい)』
―千葉県―
 むかし、ある年のお盆の夜のこと。ある浜辺から、一隻(いっせき)の船が漁(りょう)に出掛けて行った。
 その晩は、風も静かで、空にも海にも星が輝き、まるで、池みたいな凪(なぎ)きじゃったそうな。
 沖へ出て手繰(たぐ)り網(あみ)を流すとな、沢山(たくさん)の魚が掛かってくるんだと。
 「『盆暮に船を出しちゃあいけねえ』なんて、誰が言い出したんだ!そんなこたぁねぇ、見ろ、この大漁(たいりょう)をよお」
 「そうじゃあ、そうじゃあ」
 はじめは恐(おそ)る恐るだった漁師達も、いつにない大漁に気が大きくなって、夢中で網を手繰っていた。
だから、いつの間にか星が消え、あたりにどんよりした空気が漂(ただ)よってきたのを、誰も気付かなかった。
 突然、強い風が吹いた。
 海はまたたくまに大荒れになった。
 山のような三角波(さんかくなみ)がおそって来て、船は、まるで木(こ)っ葉(ぱ)のように揺(ゆ)れた。
 漁師達は、流していた網を切り、死にもの狂いで船を操作(そうさ)した。それは、漁師達と海との戦いじゃった。
 どれくらい経ったろうか。先程(さきほど)まで荒れ狂った海が嘘(うそ)のように治(おさ)まり、漁師達が疲れきった身体(からだ)を横たえている時だった。
 朽(く)ちかけた大きな船が、音もなく近寄って来た。
核酸检测有效期是多久 そしてその船から、人影(ひとかげ)もないのに、
 「お―い、あかとりを貸してくれぇ。あかとりを貸せぇ」
と、何とも言えない不気味(ぶきみ)な声が聞こえてくるんだと。
 ”あかとり”と言うのは、船底(ふなぞこ)の水を汲(く)み取るひ杓(しゃく)のことだが、
祝老板生意兴隆的词语 あまりの怖(おそ)ろしさに、唯(ただ)もう逃げたい一心(いっしん)で投げてやった。
 すると、その”あかとり”で、漁師達の船の中に水をどんどん汲み入れてくる。
 「しまった。これぁ船幽霊(うなゆうれい)だ。見るんじゃねぇ、早く逃げろ」
 漁師達の船は水浸(みずびた)しになりながら、それでもかろうじて浜へ帰って来た時には、魂(たましい)の抜(ぬ)け殻(がら)みたいじゃったそうな。
 このことは、漁師仲間に一遍(いっぺん)に伝わった。
 それからと言うもの、お盆の日には、決して漁に出るものが無くなったそうな。
2『姥(うば)っ皮(かわ)』
―新潟県―
 むかし、あるところに、大層気だての良い娘がおったそうな。
 娘の家は大変な分限者(ぶげんしゃ)での、娘は器量(きりょう)も良かったし、まるでお姫様のようにしておった。
 じゃが、夢のような幸せも永(なが)くは続かないもんでのぉ、可哀(かわい)そうに、母が、ふとした病(やまい)で死んでしもうた。
 しばらくたって継母(ままはは)が来だがの、この継母には、みにくい娘がいたんじゃ。
 なもんで、継母は、器量の良い娘が憎(にく)くてたまらんようになった。
 事(こと)あるごとにいじめてばかり。
 父も、これを知っていたが、継母には何も言えんかった。
 それで、可哀そうだが、この家においたんではこれからどうなるかも知れんと思ってな、お金を持たせて、家を出すことにしたんじゃ。
 乳母(うば)もな、
 「あなたは器量もいいから、よっぽど用心(ようじん)しなければ危ないことに出逢(であ)うかも知れんから」
と、言って、姥(うば)っ皮(かわ)という物をくれた。
 娘は、それを被(かぶ)って、年をとった婆様(ばあさま)の姿になって家を出た。
 こうして、娘はあちらこちらと歩いているうちに、ある商人の家の水くみ女に雇(やと)われることになったそうな。
 娘はいつも姥っ皮を被って働いた。
 風呂(ふろ)に入る時も、家中の者が入ったあとで入ることにしていたので、それを脱(ぬ)いでも誰にも見つけられんかった。
 ある晩のこと。
 娘がいつものように姥っ皮を脱いで風呂に入っていると、ふと若旦那(わかだんな)が見つけてしまった。
さあ、それ以来若旦那は、一目(ひとめ)見た美しい娘のことが忘れられん。とうとう病気になってしまった。医者でも治(なお)らんのだと。大旦那が心配して占師(うらないし)に占ってもらった。
 すると占師は、
 「家の内に気に入った娘があるすけ、その娘を嫁にしたら、この病気はすぐに治ってしまうがな」
と、言う。
 大旦那はびっくりして家中(いえじゅう)の女という女を全部、若旦那の部屋へ行かせてみた。が、気に入った者はなかったんじゃと。
 最後に、大旦那はまさかと思いながら、水汲(く)み婆さんを若旦那の部屋へ連れて行った。
 すると、若旦那はすぐに見破(みやぶ)っての、姥っ皮をとってしまったんじゃ。
 中から、それは美しい娘が現(あら)われたもんで、家じゅう大嬉(おおよろこ)びでの、
 娘は、その家の嫁になって、いつまでも幸せに暮らしたそうな。
 いちがさあけた どっぴん。
3『狐(きつね)の嫁入(よめいり)』
―山梨県―
むかし、と言っても、つい此(こ)の間(あいだ)。そうさな、五十年ほど前だったろうか。
 山梨の金山(かなやま)っちゅうところに、炭焼きの爺(じ)さまがおっての。
 爺さまは、山で炭焼いてそれを町へ売りに行ってたんだが、町からの帰りに山道(やまみち)に差しかかったんだと。
 あったかい風がフワフワ吹いて来て、なんだか、きみのわるい晩だったそうな。
 「はて、おかしいな」
と、思って、ヒョイと前の方を見たら、きれいな娘が提灯(ちょうちん)を持ったお供(とも)を連れて歩いている。
 「こら、いいあんばいだ。あの提灯に連いて行こう」
と、急ぎ足で歩いたが、間(ま)が縮(ちぢ)まんないんだと。それなら、と、今度は走ってみたけれども、やっぱりおんなじに離れている。
 「お、こら不思議じゃねぇか。ことによると、あら狐(きつね)だかも知んねぇ」
 暗闇(くらやみ)を透(す)かしてよおく見たら、お供の尻(しり)っぺたから、でっかい尻尾(しっぽ)が出てブラブラしているんだと。
 爺さまはおかしくなって、
 「おおい、その尻尾、まちんとひっこませや」
と、言ったら、すぐ半分(はんぶん)程(ほど)引っ込んだ。
 「おおい、化けるのなら、まちんと上手に化けれや。そげな化け方していると、ほれ、つかめえちゃる」
爺さまがおどけて手をのばすと、娘狐はたまげて、一声鳴(な)いて逃げて行ったんだと。
 お供狐も提灯をおっぱなして逃げて行ったんだと。
 「おや、狐の提灯とは珍(めず)らしい」
 爺さまは、それを拾って帰ったんだと。
次の日、夜更(よふ)けに戸をたたくもんがいる。
 戸を開けてみると、きれいな女が立っていたそうな。
 「夕べの提灯、どうか返してくんなせ」
 「うんにゃ返せねえ。おめえ、狐けえ。この提灯、珍しいから大事にとっておこうと思っている」
 「おら狐だ。娘を嫁にやるのに、今夜その提灯がいるんです。どうか返してくんなせ」
 爺さまは可哀(かわい)そうになって返してやったと。
 その晩の夜中に狐の嫁入(よめい)りがあっての、提灯が、いくつもいくつも揺(ゆら)めいて、それはきれいだったそうな。
4こんでちょっきり一昔。『人影花(ひとかげばな)』
むかし、あるところに貧乏(びんぼう)な婿(むこ)どんがおって、いとしげな嫁ごと暮らしておったそうな。
 そのころはまだ鬼(おに)がおっての、ときどき里に下りてきては悪さをしておったと。
 ある日、婿どんが仕事で遠くへ出掛けたそうな。
 そしたら、そこへ鬼がやって来て嫁ごをさらって行ってしまったと。
 何日かして、婿どんが家へ戻ったら嫁ごがおらん。
 「この仕業(しわざ)は、東の鬼ヶ岳に棲(す)むという鬼のせいにちがいない。こりゃあたいへんじゃあ」
 婿どんは、青くなってさがしに出掛けたそうな。
 川を渡っては、「東の鬼ヶ岳を知らんかぁ」